介護休暇の取得要件とは?日数と対象家族を解説【2026】
この記事の要点
- 介護休暇は対象家族の要介護状態と労使協定の有無が取得要件の中心になる
- 対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで時間単位でも取得可能とされる
- パート職員でも労使協定で除外されない限り原則取得できる点に注意が必要
介護休暇の取得要件は「対象家族の要介護状態」と「勤続条件」の2点
介護休暇を取得するための要件は、大きく分けて2つです。1つは要介護状態にある対象家族を介護・世話していること、もう1つは労使協定で除外されていない限り雇用期間の長さを問わず取得できることです。介護事業の経営・運営に関わる立場では、職員からの申請を正しく受理できるかどうかが、離職防止やトラブル回避に直結します。
介護休暇は育児・介護休業法に基づく制度で、年次有給休暇とは別に取得できる休暇です。対象家族1人につき年5日、2人以上の場合は年10日まで取得でき、1日単位だけでなく時間単位での取得も可能とされています。ただし、details(詳細な適用条件や例外)は事業所の就業規則や労使協定によって扱いが異なる場合があるため、最終的な判断は専門家や所轄の労働局に確認することをおすすめします。
対象家族の範囲
介護休暇の対象となる家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母に加え、祖父母・兄弟姉妹・孫も含まれます。ただし祖父母・兄弟姉妹・孫については、職員と同居し、かつ扶養していることが要件に加わる点に注意が必要です。介護施設の人事担当者が申請書を受理する際、この「同居・扶養」の確認を省略してしまい、後から要件を満たしていなかったことが判明するケースがあります。申請時点で家族関係と同居状況を記録に残しておくことが、後々のトラブル回避につながります。
要介護状態の判断基準
要介護状態とは、負傷、疾病または身体上・精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指すとされています。要介護認定を受けていることが必須条件ではなく、医師の診断書や本人の申告でも認められる場合がある一方、客観的な基準が曖昧になりやすい部分でもあります。判断に迷う場合は、就業規則に具体的な確認方法を定めておくと運用がスムーズになります。
勤続年数や雇用形態による取得制限はあるか
結論として、介護休暇は原則としてすべての職員が取得できますが、労使協定を締結している場合に限り、入社6か月未満の職員や週の所定労働日数が2日以下の職員を対象外にできます。この点は育児休業の取得要件とは異なるため、人事担当者が混同しないよう注意が必要です。
介護事業所では非常勤・パート職員の比率が高い傾向があり、「パートだから対象外」と誤解して申請を断ってしまうケースが見られます。労使協定の締結有無と、協定でどこまで除外範囲を定めているかを、就業規則とあわせて確認しておくことが重要です。協定がない場合、雇用形態にかかわらず原則として取得を認める必要があります。
半日・時間単位での取得条件
2021年1月の法改正以降、原則としてすべての事業主が時間単位での介護休暇取得に対応する必要があるとされています。ただし、業務の性質上、時間単位での取得が困難な職種については、労使協定により除外することが認められる場合があります。介護施設の現場では、夜勤やシフト制の職種が多く、時間単位取得の運用ルールを明確にしておかないと、現場での調整が難航することがあります。
申請から取得までの一般的な流れは次のとおりです。
- 職員が対象家族の状況と休暇希望日を口頭または書面で申し出る
- 人事担当者が対象家族の範囲・要介護状態の要件を確認する
- 必要に応じて申告内容の裏づけ(診断書等)を求める
- 就業規則に基づき休暇取得を承認し、シフト調整を行う
当日の急な申請であっても、原則として事業主は拒否できないとされています。シフト制の職場では、この「当日申請への対応」がもっとも運用上の負担になりやすい部分です。あらかじめ人員に余裕を持たせた配置を検討しておくことが、現場の混乱を避ける一助になります。

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介護休暇は法律上、有給とすることまでは義務づけられておらず、無給として扱う事業所も少なくありません。給与規程で有給とするか無給とするかを明確に定めておくことが、申請時のトラブルを防ぐ観点から重要です。無給とする場合でも、社会保険料の算定や年次有給休暇の出勤率計算への影響については、取り扱いが細かく分かれる部分があるため、社会保険労務士などの専門家に確認することをおすすめします。
賃金の取り扱いを曖昧にしたまま運用を続けた結果、職員から「有給だと思っていた」といった不満が出て、労使間のトラブルに発展するケースもあります。就業規則や雇用契約書に、介護休暇中の賃金の有無を明記しておくことが望まれます。
よくある失敗パターン
介護事業所の運用でよく見られる失敗には、次のようなものがあります。
- 対象家族の範囲を誤解し、同居要件のない配偶者の父母にまで同居確認を求めてしまう
- 労使協定の内容を現場の管理者が把握しておらず、対象外の職員の申請を誤って拒否する
- 時間単位取得のルールが周知されておらず、1日単位の取得しか案内できていない
- 急な当日申請に対応できる人員体制がなく、現場の負担が特定の職員に集中する
これらは制度そのものの理解不足だけでなく、就業規則への落とし込みが不十分なことが原因になっている場合が多いといえます。制度の詳細や最新の改正内容については、厚生労働省の公式情報で確認し、自社の就業規則との整合性を定期的に見直すことが望まれます。
まとめ
介護休暇の取得要件は、対象家族が要介護状態にあることと、労使協定による除外がない限り雇用形態を問わず取得できることの2点に整理できます。対象家族の範囲や半日・時間単位での取得条件は事業所ごとの就業規則に左右される部分もあるため、運用ルールを明文化し、職員全体に周知しておくことが安定した制度運用につながります。個別の判断に迷う場合は、社会保険労務士や所轄の労働局など専門家への相談をおすすめします。
よくある質問
- Q. 介護休暇はパート・アルバイト職員でも取得できますか?
- A. 労使協定で入社6か月未満や週所定労働日数2日以下の職員を除外していない限り、雇用形態にかかわらず原則として取得できるとされています。自社の労使協定の内容を確認することをおすすめします。
- Q. 介護休暇中の給与は支払う必要がありますか?
- A. 法律上、有給とすることは義務づけられていません。有給・無給いずれにするかは事業所の給与規程によるため、就業規則に明記しておくことが望まれます。
- Q. 要介護認定を受けていない家族でも介護休暇の対象になりますか?
- A. 要介護認定の有無は必須条件ではなく、2週間以上常時介護を要する状態であれば対象となる場合があります。判断に迷う場合は専門家への確認をおすすめします。
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