介護認定の流れ|申請から訪問調査・結果通知までの手順
この記事の要点
- 介護認定は申請・調査・審査・通知の4段階で進み結果通知までおおよそ30日程度
- 認定調査では普段の生活状況を具体的に伝えることが区分の適正な判定につながる
- 有効期間の管理を怠ると全額自己負担になりうるため事業所側の更新管理が重要
介護認定の流れは「申請→調査→審査→通知」の4段階で進む
介護認定の流れは、市区町村への申請、認定調査、一次判定と二次判定による審査、結果通知という4段階で構成されています。申請から結果が届くまでは30日程度とされていますが、自治体の混雑状況によっては1〜2か月ほどかかるケースもあります。
介護事業の経営・運営に関わる立場からすると、この流れを正確に把握しておくことは、利用者やその家族への説明、サービス開始時期の見込み調整、ケアマネジャーとの連携において欠かせません。以下では各段階の手順と、現場でつまずきやすいポイントを具体的に見ていきます。
介護認定の申請はどこで行うのか
介護認定の申請は、本人が住んでいる市区町村の窓口(介護保険課など名称は自治体により異なる)で行います。本人が申請するほか、家族、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などが代行することも可能です。
申請に必要な主な書類は次の通りです。
- 要介護・要支援認定申請書
- 介護保険被保険者証(65歳以上の第1号被保険者の場合)
- 医療保険の被保険者証(40〜64歳の第2号被保険者の場合)
- マイナンバーが確認できる書類
申請書には、本人のかかりつけ医の氏名や医療機関名を記入する欄があります。この情報は後述する主治医意見書の作成依頼に使われるため、事前に本人や家族へ確認しておくとスムーズです。かかりつけ医がいない場合は、自治体が指定する医師の診察を受ける必要が生じることもあります。
申請時に起こりやすいつまずき
申請書の医療機関欄が空欄のまま提出され、自治体から連絡が入り手続きが数日遅れるというケースがあります。また、家族が遠方に住んでいて代行申請の委任状の準備に時間がかかり、結果として認定調査の日程調整が後ろ倒しになることも珍しくありません。事業所として利用者の相談を受ける際は、申請前にかかりつけ医の情報を整理しておくよう案内すると、手続き全体の遅延を防ぎやすくなります。

事業所の名前を入れるだけで、あなたの事業所の記事を1本、無料でお作りします。検索で見つけてもらう記事を、毎日2本代行します。
無料で記事を作る →認定調査では何を聞かれるのか
申請後、市区町村の職員や委託を受けた調査員が自宅や入院先・入所先を訪問し、本人の心身の状態について聞き取りを行います。調査項目は全国共通の基本調査(74項目程度)と、調査員が気づいた点をまとめる特記事項から構成されています。
調査内容は大きく分けて次のような領域です。
- 身体機能・起居動作(歩行、寝返り、視力・聴力など)
- 生活機能(食事、排泄、入浴などの日常動作)
- 認知機能(意思の伝達、記憶、理解力など)
- 精神・行動障害(感情の不安定さ、徘徊の有無など)
- 社会生活への適応(金銭管理、集団への適応など)
調査当日は、本人が普段より頑張って受け答えをしてしまい、実際の生活状況より軽く評価されてしまうケースがあります。このような場合に備えて、家族や事業所の担当者が同席し、普段の様子を補足説明することが認められています。日頃の困りごとを記録したメモを用意しておくと、調査員への伝達漏れを防ぎやすくなります。
主治医意見書の役割
認定調査と並行して、市区町村はかかりつけ医に主治医意見書の作成を依頼します。この意見書には、病気の経過や心身の状態、生活機能についての医学的な見解が記載され、後の審査で重要な資料となります。本人や家族が医師に直接依頼する必要はなく、自治体から医療機関へ依頼が送られる仕組みです。ただし、受診歴が少ない場合は意見書の作成に時間がかかることがあるため、申請前に一度受診しておくことが望ましいとされています。
審査から結果通知までの流れ
認定調査の結果と主治医意見書をもとに、コンピューターによる一次判定が行われます。その後、保健・医療・福祉の専門家で構成される介護認定審査会が、一次判定の結果に特記事項や意見書の内容を加味して二次判定を行い、要支援1・2、要介護1〜5、非該当のいずれかに区分します。
結果は申請からおおよそ30日程度で郵送により通知されるとされていますが、審査会の開催頻度や申請件数の多さによって、1か月半ほどかかる地域もあります。認定結果に納得できない場合は、都道府県の介護保険審査会に不服申立てを行う制度もありますが、手続きや要件は自治体ごとに異なるため、詳しくは市区町村の窓口や厚生労働省の案内で確認することをおすすめします。
認定が出る前でもサービスは使えるのか
申請日からサービス利用開始までの空白期間を心配する相談は少なくありません。実は、申請日から暫定的にケアプランを作成し、介護サービスを先に利用開始することが制度上可能です。ただし、最終的な認定区分によっては利用できる限度額が想定より低く決まり、超過分が自己負担になるケースもあるため、暫定プランを組む際は区分の見込みを慎重に検討する必要があります。この点は個別の状況によって判断が分かれるため、ケアマネジャーや自治体の窓口に確認しながら進めることが大切です。
有効期間と更新・区分変更の手続き
認定には有効期間があり、新規申請の場合は原則6か月、更新の場合は12か月から最長48か月まで、心身の状態の安定度に応じて設定されます。有効期間が切れる前に更新申請を行う必要があり、通常は満了日の60日前から手続きが可能です。
また、有効期間の途中で心身の状態が大きく変化した場合は、区分変更申請を行うことで、有効期間満了を待たずに新しい区分の認定を受けられます。入院や病状の急変をきっかけに区分変更を利用する場面は多く、事業所としてはこうした制度があることを利用者家族にあらかじめ伝えておくと、急な状態変化にも落ち着いて対応しやすくなります。
更新忘れによる失敗例
有効期間の管理を利用者本人や家族任せにしていた結果、更新申請を忘れてしまい、有効期間が切れた状態でサービスを利用し続けてしまうケースがあります。この場合、原則として認定が切れている期間のサービス費用は全額自己負担になる可能性があるため注意が必要です。居宅介護支援事業所では、担当するケアマネジャーが更新時期を一覧管理し、満了の2〜3か月前には家族へ連絡する体制を整えているところが多く見られます。
事業所が流れを理解しておく意味
介護認定の流れを事業所側が正確に把握し説明できることは、利用者やその家族の不安を軽減するだけでなく、サービス開始時期の見込みを立てやすくするという経営面のメリットにもつながります。申請から結果通知までの期間が読みにくいことは、新規利用者の受け入れ計画やスタッフの配置計画にも影響するため、自治体ごとの審査の混雑状況を把握しておくことも実務上は有用です。
なお、認定区分や給付の詳細な取り扱いについては自治体や制度改正によって変わる部分があるため、最新の情報は必ず厚生労働省や居住地の市区町村の公式案内で確認してください。本記事の内容は一般的な流れを整理したものであり、個別の事情については専門家や自治体窓口への相談をおすすめします。心身の状態について不安がある場合は、医療機関にもあわせてご相談ください。
よくある質問
- Q. 介護認定の申請から結果が出るまでどのくらいかかりますか
- A. 申請から結果通知まではおおよそ30日程度とされていますが、自治体の審査会の開催頻度や申請件数の多さによって1か月半ほどかかる地域もあります。急ぎの場合は申請時に窓口へ状況を相談することをおすすめします。
- Q. 認定結果が出る前に介護サービスを利用することはできますか
- A. 申請日からケアプランを暫定的に作成し、サービスを先に利用開始することは制度上可能です。ただし最終的な認定区分によっては限度額が想定と異なる場合があるため、ケアマネジャーと相談しながら進める必要があります。
- Q. 認定の有効期間が切れてしまった場合はどうなりますか
- A. 有効期間が切れている間に利用したサービス費用は、原則として全額自己負担になる可能性があります。満了日の60日前から更新申請が可能なため、早めの手続きが望ましいとされています。
この記事を紹介・引用するときは
下のリンクをそのまま貼ってお使いください。文章を引用されるときは、出典としてこのページへのリンクをお願いします。



